やっぱり箱は必要だよ。2008年08月01日 11時11分11秒

反省を込めてブログを書いてみる。
最近改めて感じた。”やっぱり箱は必要だよ。”と。

当店は漆屋さんという性格を持つ関係で作家さんから作品だけを
箱なしで仕入れる事があるのだが、やはりそれってまずいなぁと思う。
箸とかなんかは和紙で包んであげると格好がつくのでいいんだけど、
お椀なんか(それらの類を含む)は包み方を色々調べてみたけど、
そのままではどうやっても上手く包めない感じだ。
ここでいう”上手く包めない”とは高級感とかそういうものを
損なう事無く包むことが出来ない事を意味する。
これらのものは上手く包もうとするとやはり箱が必要である。

どうしてそう思ったかと言うと、
漆に造詣がある方の自分使いは包装なんかは気にされないのだが、
それがご贈答用となると話は別だからだ。
せっかくの逸品が包装が良くないだけで非常に安っぽく見える。
漆に造詣があり、贈り物にと考えて頂いたお客様に申し訳ないし、
そんな事で贈られた方に漆の良さが伝わらなくなってしまうとしたら
残念でもある。第一印象は大事である。
それに作家作品だから産地の安い漆器と違うので箱は必須だろう。

ただこれも単純に当店だけの問題ならBlogに書く必要もないのだが、
貼り箱の実態を調べてみるとそう単純でもなさそうな事が解ってきた。
特に貼り箱の生産方式の問題が大きそうだ。
現代はほとんどの業界が大量生産前提の仕組みになっているからだ。
箱に関して言うと、抜き型を作り、厚紙をポンポン抜いて製作される。
紙を貼る部分もある程度機械化されているようである。
この業界も価格の大半が人件費だろうから、抜き型を作る部分の
経費が意外と高いと思われる。
つまり1個作っても100個作っても代金の総額は思ったほど変わらない。
数が多いほど単価が下がる。(例えば印刷業界もそんな感じ。)
となると、大きさが1つ1つ異なるものを作る作家さんにとっては
手間も費用も大変な事になる。

で、考えたんだけど、費用は別として手間が問題なら杉本商店が
何かお役に立てるのではないかと。
貼り箱の取扱量が増え、ある程度サイズがまとめられれば費用も
多少なりとも安くできるような気がするし。
工芸品の最終商品化の部分を杉本商店が担う必要があるか、
担えるのか検討してみる価値はありそうだ。
ただ、作品とのトータルイメージを作り上げるには作家さんの考え方や
意思が重要なので作家さんの積極的な関与も必要だが。

追記
 これだけをやる訳にはいかないのでボチボチ調べてみようと思う。
 大した事でなくても一人で調査とかしていると忙しいんだ。

後日記
 箱1個だけでも作ってくれるところはありますね。
 でもお椀とかの箱のサイズで1箱300~500円くらいはかかりそう。*1
 このくらいの値段は普通っぽいので、とりあえず最初のうちは
 当店に漆を買いにきたついでに箱が入手できるという事の
 メリットがあるかどうかだと思う。後は手間の部分をどう考えるか。
 箱を郵送してもらっていて送料が掛っているのならメリット有りかな。
 ただ、計画性は持たないといけないけど。

 箱を作ってみた事もあるけど、箱を作るための大きなボール紙の
 入手が困難そう *2 なのと、直線や直角がちゃんどできないと
 かなり出来の悪い箱になってしまうので、自分で箱を作る場合
 その点の解消がポイントとなりそうです。

*1 箱のサイズ、ボール紙の厚さ、貼り紙の種類などで値段は
   変動する。業者在庫の紙だとダメな場合は持ち込み可のようだ。
*2 一般に販売されているボール紙の最大はA3なのだが、
   意外とそれでは大きい箱は作れない。
   また、大きくなればなるほど、直線を正確に切りにくい。

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