××社の不当表示について ― 2009年01月17日 11時11分11秒
「木製加工品」「漆塗」などと表示しながら、実際は大部分に合成樹脂を
使用していたとして、公正取引委員会は14日、××× *1 に
景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める排除命令を出した。
との記事が出ました。
当店の場合は作家ものが中心であり、元々漆屋でもあることから
当店の漆をお使い頂いている方の作品を置いているので
作家ものについての心配はまず無いと言える。
理由
素地に関して
・一般的に合成樹脂を使う場合は金型が必要で、
金型を作成にはかなりの費用がかかる。
これを少量多品種生産の作家さんが行うのは経済的に困難で、
作家さんにとって合理的でない。
(金型を使った生産は大量生産をする大企業向きであある。)
・漆屋である当店が見て怪しいものはチェックされ、排除される。
塗りに関して
・当店で漆をご購入頂いている作家さんのものがほとんどで
買った漆を使わずにその他の塗料を使う事は考えづらい。
・漆屋である当店が見て怪しいものはチェックされ、排除される。
但し、上述の理由は全て状況証拠のみである。
作業場でずっと監視している訳ではないのでどうしてもその様になる。
厳密には商品を分析しなければ本当に正しいか断言はできない。
しかし、作家ものは一品ものが多く、試料を必要とする現在の分析手法は
使えない。分析=一品ものの作品に傷をつける=売り物にならなくなる事だからだ。
ただ、上述の理由にも増して作家ものは作家さん自身の名前を冠して
販売・流通しているので責任の所在が明確である事に留意して欲しい。
作家さんにとって自身の名前そのものがブランドだから、そう滅多な事はできない。
これは不正に対する大きな抑止力で自身に置き換えてもらえれば判ると思う。
貴方も自分のサインを入れて世に出すものにはいい加減な事は出来ないでしょう?
一方、産地のものに関してはどうか。
これは玉石混交だと言わざるを得ない。
産地とは元々その特産品を作る独立した人間が集まった地域の事なので、
有名な産地であっても塗りの技術も弟子レベルからベテランまで、
また、考え方も十人十色なのだ。その上、分業制となっている。
多くの人は堅実にやっていると思うが、その結果有名になったところに
不埒な輩が混じった場合、どうなるかは判らない。
(昔はプラスチックや合成塗料は無かったので現在のような問題は無かった。)
また、業界が小さい為、法令改正が伝わりきらない部分もあると思われる。
(大企業のように常時法令を監視している部門がある訳ではないので)
従って、当店でも仕入に当って産地品はよりシビアな判断が必要とされる。
当店にも一部産地ものがあるが、少なくとも素材の確認をして仕入れるし、
その上でなおかつ怪しい場合には漆塗りなどの表示をしないようにしている。
騙されたお客様に対する責任が無くなる訳ではないが、
上述の××社はこれに引っかかった可能性がある。
当店も注意しなければとつくづく思う。
結局、漆のものについては信頼のおける作家さんや販売店で購入する
というのが一番の安全ではないかと思う。
備考)
今回の件では××塗スプーン5本セット(3570円)とあったが、
××は国内であり、国内産でこの値段だと本当に木製で漆塗りかを
疑わないといけないと考えるべきだという参考になる。
*1 ××の部分は社名が入っていたが、販売者であり、どの程度この
問題に関与していたかや、商品表示が具体的にどうだったかなど
私の見た記事だけでは不明だったので社名は伏せている。
使用していたとして、公正取引委員会は14日、××× *1 に
景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める排除命令を出した。
との記事が出ました。
当店の場合は作家ものが中心であり、元々漆屋でもあることから
当店の漆をお使い頂いている方の作品を置いているので
作家ものについての心配はまず無いと言える。
理由
素地に関して
・一般的に合成樹脂を使う場合は金型が必要で、
金型を作成にはかなりの費用がかかる。
これを少量多品種生産の作家さんが行うのは経済的に困難で、
作家さんにとって合理的でない。
(金型を使った生産は大量生産をする大企業向きであある。)
・漆屋である当店が見て怪しいものはチェックされ、排除される。
塗りに関して
・当店で漆をご購入頂いている作家さんのものがほとんどで
買った漆を使わずにその他の塗料を使う事は考えづらい。
・漆屋である当店が見て怪しいものはチェックされ、排除される。
但し、上述の理由は全て状況証拠のみである。
作業場でずっと監視している訳ではないのでどうしてもその様になる。
厳密には商品を分析しなければ本当に正しいか断言はできない。
しかし、作家ものは一品ものが多く、試料を必要とする現在の分析手法は
使えない。分析=一品ものの作品に傷をつける=売り物にならなくなる事だからだ。
ただ、上述の理由にも増して作家ものは作家さん自身の名前を冠して
販売・流通しているので責任の所在が明確である事に留意して欲しい。
作家さんにとって自身の名前そのものがブランドだから、そう滅多な事はできない。
これは不正に対する大きな抑止力で自身に置き換えてもらえれば判ると思う。
貴方も自分のサインを入れて世に出すものにはいい加減な事は出来ないでしょう?
一方、産地のものに関してはどうか。
これは玉石混交だと言わざるを得ない。
産地とは元々その特産品を作る独立した人間が集まった地域の事なので、
有名な産地であっても塗りの技術も弟子レベルからベテランまで、
また、考え方も十人十色なのだ。その上、分業制となっている。
多くの人は堅実にやっていると思うが、その結果有名になったところに
不埒な輩が混じった場合、どうなるかは判らない。
(昔はプラスチックや合成塗料は無かったので現在のような問題は無かった。)
また、業界が小さい為、法令改正が伝わりきらない部分もあると思われる。
(大企業のように常時法令を監視している部門がある訳ではないので)
従って、当店でも仕入に当って産地品はよりシビアな判断が必要とされる。
当店にも一部産地ものがあるが、少なくとも素材の確認をして仕入れるし、
その上でなおかつ怪しい場合には漆塗りなどの表示をしないようにしている。
騙されたお客様に対する責任が無くなる訳ではないが、
上述の××社はこれに引っかかった可能性がある。
当店も注意しなければとつくづく思う。
結局、漆のものについては信頼のおける作家さんや販売店で購入する
というのが一番の安全ではないかと思う。
備考)
今回の件では××塗スプーン5本セット(3570円)とあったが、
××は国内であり、国内産でこの値段だと本当に木製で漆塗りかを
疑わないといけないと考えるべきだという参考になる。
*1 ××の部分は社名が入っていたが、販売者であり、どの程度この
問題に関与していたかや、商品表示が具体的にどうだったかなど
私の見た記事だけでは不明だったので社名は伏せている。
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