漆の抗菌力 ― 2006年07月27日 11時11分11秒
漆には抗菌力があるようです。
株式会社ファルコライフサイエンスの調べによると以下の通りの結果が出ました。
大腸菌やMRSA(黄色ブドウ球菌)は4時間後に半減し、
24時間後にはゼロになるそうです。
菌がゼロにならなくても少量の菌ならば
人間の抵抗力によって問題ない事を考えると
漆においては菌の増殖がない事が非常に意味のある事だと思えます。
やはり、漆は木の血液だということですね。
時間 | 1時間 | 2時間 | 4時間 | 6時間 | 24時間 | |
MRSA (黄色ブドウ球菌) |
対照 | 11,000 | 12,000 | 19,000 | 22,000 | 2,400 |
うるし | 13,000 | 8,000 | 1,700 | 0 | 0 | |
大腸菌 (O157を含む) |
対照 | 1,200 | 1,600 | 780 | 1,000 | 600 |
うるし | 2,600 | 300 | 120 | 16 | 0 | |
サルモネラ | 対照 | 7,000 | 7,500 | 9,000 | 6,100 | 1,100 |
うるし | 3,000 | 2,300 | 310 | 40 | 0 | |
腸炎ビブリオ | 対照 | 1,100 | 780 | 740 | 650 | 6,000 |
うるし | 12 | 0 | 0 | 0 | 0 |
被検材料
塗料塗膜(うるし)
コーティングプラスチック50mm×50mm
使用培地
●SCDLPブイヨン培地:栄研化学
●クロモカルトコリフォーム寒天培地:メルク
●卵黄加マンニット食塩寒天培地:BD
●MLCB寒天培地:日水製薬
●TCBS寒天培地:日水製薬
試験菌株
●Staphylococcus aureus(MRSA)ATCC25922
●Escherichia coil(大腸菌)IFO3301
●Salmonella Enteritidis(サルモネラ)IFO3313
●Vibrio parahaemolyticus(腸炎ビブリオ)食品分離株
実験方法
1.菌液の調整
試験菌株を血液寒天培地で35℃、24時間培養後、
発育集落を血液寒天培地に接種し、35℃、24時間培養後、
500倍希釈SCDLPブイヨンで1000000CPU/mlに調整したものを菌液とした。
腸炎ビブリオは3%食塩加500倍希釈SCDLPブイヨンで1000000CPU/mlに
調整した。
2.試験操作
被検材料を24時間紫外線照射後、滅菌シャーレに入れ、
菌液0.5mlを滴下し、減菌ストマッカーポリ袋を15mm×45mmに切断した
フィルムで被覆(フィルム密着法)し、30℃で静置した。
1,2,4,6,24時間後、フィルムに付着している菌をSCDLPブイヨン9.5mlで
十分に洗い出した後、その生菌数を測定した。
対照として、抗菌塗膜されていないプラスチック50mm50mmを
同様に試験した。
3.生菌数の測定
洗い出し液の原液、10倍、100倍、1000倍希釈液100μlを、
MRSAは卵黄加マンニット食塩寒天、大腸菌はクロモカルトコリフォーム寒天、
サルモネラはMLCB寒天、腸炎ビブリオはTCBS寒天にそれぞれ接種後、
コンラージ棒で塗沫し、35℃、24~48時間培養後、発育集落数をカウントした。
備考
本文は雑記帳に掲載されていた内容に加筆などを加えて再構成したものです。