刻苧(こくそ)について2006年07月08日 11時11分11秒

最近、抹粉なるものを見つけてしまったので刻苧(こくそ)について調べた。
そこで簡単ながら刻苧について記述してみたいと思う。

刻苧を施す(刻苧掻いと言う)目的は、木地の傷や接合部を埋める事。
これを施す事により木地のしっかりした堅牢な漆器が出来上がる。

刻苧とは以下のものを言う。
刻苧・・・①糊漆に刻苧綿と木粉を適当に混合したもの。
     ②木粉の代わりに地の粉を混合したもの。
     ③奈良時代には抹香を麦漆に混合したもの。

糊漆・・・上新粉に水を加えて練り、加熱して糊状にしたものに漆を加えたもの。
      (炊いたお米を磨り潰したものに漆を加える方法もある。)
麦漆・・・小麦粉に漆を加えたもの。
だし、木粉、地の粉、抹香はそのもの自体が漆材として手に入る。

あるものを練るだけじゃつまらないという事で
刻苧綿を作ってやろうと考え原料として麻そのものを用意した。

短く切って指先でよじると繊維がほぐれるのは知っていたが、
他の方法という事で、すり鉢を使ってみることにした。

結論を先に言ってしまうと、
麻を数mmに細かく切ってすりこぎすると繊維が細かくほぐれた刻苧綿が
出来る事がわかった。
(1cm前後に切ってやると繊維が絡み合い上手く細かくほぐれない。)